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東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピュータ「AOBA-1.5」8月1日より運用開始

更新日 2023年8月22日


運用開始を前に「AOBA‐1.5」をお披露目

記者会見の様子(サイバーサイエンスセンター滝沢寛之教授)
記者会見の様子(大野英男総長)

2023年7月25日、東北大学青葉山キャンパスにあるサイバーサイエンスセンターでは、スーパーコンピュータ(通称:スパコン)「AOBA-1.5」の見学会が開かれました。
「AOBA-1.5」は、ベクトル型のスーパーコンピュータで、従来のAOBAと比較すると計算能力はこれまでの14倍。ベクトル型では“世界一の性能”です。従来型より大規模・高速・多様・高精度な数値シミュレーションが可能となります。
報道機関向けに行われた説明会には関係者など約30人が参加し、東北大学の大野英男総長は「これ(AOBA-1.5)によって津波浸水予測や気象予想、医薬品の開発やさらには農業についても非常に大きく活躍してくれると期待しています」などと期待感を述べました。

災害発生時の減災に大きな役割

今回の大幅な増強により、「リアル津波浸水被害推計」がさらに高精度化するのも特徴の一つです。リアル津波浸水被害推計は、地震発生から6時間後の浸水範囲や浸水被害などを20分以内に推計して通知するもので、国や自治体などが災害の初動対応の方針を決めるための情報として活用しています。従来の「AOBA」では、スパコンによる被害予測が制限時間20分のうち5分を占めていましたが、新スパコン「AOBA-1.5」では、被害予測の時間を1分にまで短縮することを目指しています。条件を変えながら被害予測を5回行うことが可能になり、その結果としてより正確な浸水範囲や浸水被害の推計が期待されます。

 また従来型では、津波の浸水予測や被害予測といった災害発生時の緊急的なものに限られていましたが、増強により交通情報や物流など、様々な災害対応への活用に期待がされています。

2024年度運用開始予定の次世代放射光施設「NanoTerasu」にも直結

24年度運用開始予定の「NanoTerasu」

また、現在東北大学の青葉山新キャンパス内に建設中で、2024年度から運用開始予定の次世代放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」に直結することも大きな特徴の一つです。
ナノテラスから超高速で取得した大容量データを「AOBA-1.5」で解析可能となり、幅広い研究応用への展開に期待されています。

                                              取材:東北大学総務企画部広報室


東北大学サイバーサイエンスセンター https://www.cc.tohoku.ac.jp/

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