断層を含む不均一岩体の広域応力場評価法  加藤 俊樹

背景・目的

 原子力発電により生じる高レベル放射性廃棄物を地層処分するため,地下水の移動特性を評価する必要がある.そこで岩体透水性を評価するため,透水性を支配している広範囲の地殻応力を知ることが重要となる.
  本研究は,断層を含む不均一岩体の局所的な応力測定データから、広域応力場を評価す手法を開発することを目的としている.

断層モデル

 断層はGoodmanのジョイント要素を2次のアイソパラメトリック要素に拡張したものを用い,断層上のせん断応力τ>垂直応力σnの部分がある場合は断層のせん断剛性を修正することでτ=σnにし,広域応力場を3次元有限要素法によって計算する.

概要

 40×60×40mの小規模モデルを用いて解析した結果,断層の初期せん断剛性を,rin=1とrin=0.75〜0.9の解析で得られたせん断剛性の平均値を用いることで誤差を小さくすることができる.
  また断層の走向と平行,及び垂直の両方向の情報を含む地圧データを用いることで誤差が最小になる.