都会の真ん中のオヤジたち

                        上杉チャンネット 坂口清敏

  上杉チャンネットは,平成12年(2000年)から仙台市の真ん中の上杉地区を中心に活動を行っています。「チャンネット」の「チャン」は,父チャン,母チャン,爺チャン,婆チャン,兄チャン,姉チャンなどの「チャン」です。我々は,地域のチャン達のネットワークを駆使して楽しいイベント等を企画,「もっと子供たちを見つめよう」という高尚な(?)合言葉の下,ついでに大人も楽しむことを究極の目的として和やかな活動を行っています。

  これまでに,Gakkouへ泊ろう,レクリエーション,雀躍り,地域行事のお手伝い,花見等々,全ての世代の方に楽しんで貰えるような企画を行ってきました。現在,約30名のコアメンバーで活動していますが,協力メンバーも加えると100名程度の「チャン」の集合体です。コアメンバーは,30代〜70代まで幅広い年齢層で構成されていますが,お酒を飲みながら,和気あいあい,かつ真面目に,子供や地域の事などの話に花を咲かせています。

  親父の会に共通して言えることは,親父達が楽しもうとしていることです。我々も例外なく,楽しむことを大切にしています。子供のためと称し,あれこれ言って聞かせて押しつけて,それを躾だ教育だと公言して憚らない親が多い昨今,それでいいのか?と自問自答した親父は多いはず。自らの反省も踏まえて親父達は立ち上がりました。不器用な親父達は,酒の力も借りながら,人と向き合い,そして地域と向き合うことの大切さと楽しさを再認識し,それを体現しようとしています。きっと子供達にも通じると信じて。

  仙台という都会の真ん中に,たまたま居合わせた親父達。生い立ちも仕事も違う人間が,「オヤジ」という共通点を拠り所に集まれる場。母親達は,昔でいえば「井戸端会議」,今風に言えば「公園デビュー」など,自分が向き合える人と場を持っていました。親父にだってそんな場は必要です。都会の真ん中で,地域の真ん中で,そして何よりも家族の真ん中で,凛として,そしてイキイキとしている親父の姿を見てもらいたいと思っています。

この文章が収められた小冊子「オヤジの血がたぎる −みやぎのおやじの会は活動する−」は,
「お父さんたちのネットワーク」が,みやぎ地域家庭教育推進協議会との共同で作成したものです。