元気にあいさつ,いい気分!

上杉山通小学校PTA会長 坂口 清敏

 「おはようございます」 誰もが知っている朝の挨拶。挨拶の大切さは大人であればわかること。子供にも教えようとはするが・・・。

 当PTAは,学校・家庭・地域が協働して豊かな教育環境を創出する協働型学校評価の実践協力として,「元気にあいさつ,いい気分!」というスローガンのもと,校門前で朝のあいさつ運動を始めました。原則2週間を1回分として3回行い,内1回は地元消防団と協働しました。当初は,一般の歩行者には怪訝そうな顔をされました。ましてや,歩行者に挨拶を返されることなど殆どありません。でもそのうち,子供達とは当然のこと,多くの方(自転車の人も)と挨拶を交わせるようになりました。

 そもそも「あいさつ」は日常の行為であり,誰もが知っています。だから,ちょっとしたきっかけで出来るようにはなります。ではなぜ,「運動」を必要とする程になったのでしょう.それは,大人の考える「あいさつ」が,「伝えること」から「教えること」に変わったからではないでしょうか。「躾」も然りで,本来「伝えるべき」多くのことが,「教えれば良い」になった。蓄えた知識で教えようとするあまり,「やって見せる」が疎かになったのが原因かもしれません。

 人間の成長には,人と人が何かを伝え合うことが大切です。コミュニケーションの源泉はそこにあります。「教える」には,主従・師弟の関係もイメージされます。子供達も含め,大人達のコミュニケーション力不足が指摘されています。朝のあいさつ運動は,子供達の健やかな成長を願う大人達の小さな行動ではありますが,世間に対して凛とした姿を見せることで,誰もが持っている「伝えたいこと」の種が,芽を出すきっかけになればと思いつつ,上杉の風景になるまで続けていければと思います。