“子供のために”は“自分のために”
                                   上杉山中学校PTA会長
                                          坂口 清敏

 「子供のために・・・」。家族による子供への虐待や学校等における体罰の事例として公にされる事件の多くは,この冠の付いた被疑者の話が紹介されます。誰もが共感できる言葉なので,言い訳にもなる便利な言葉です。

 そもそも,「子供のため」と称して成す事は,子供の健全なる成長を願う大人の主張になっているのでしょうか。むしろ,自分を大人として成立させ,それを認めさせるための,ただの方便になってはいないでしょうか。

 では,敢えて「自分のため」と称する言動には,どのような印象が持たれるでしょう。我儘,自己中心的等の印象を持たれる方もいるかもしれませんが,一方で,何かの目標を見据えた強い意志を感じ取ることもできます。

 大人の役割は子供の手本であること。自分のためには何が必要かを知り,信ずる所に向かって行動する大人の姿が求められます。凛とした大人の姿こそが「子供のために」に繋がると信じて,微力を尽くしたいと思います。