「頭を使いなさい」
我が家の長男殿に浴びせられた愛の鞭である.おもちゃか何かで遊んでいたとき,それが機能しなくなり長男困惑顔.その時,鞭は放たれました.これに対し,当時若干3才の長男殿は躊躇することなく・・・「頭を使った」.つまり,思考するのではなく頭そのもので解決しようとしたのです.頭をおもちゃに 押し付けて・・・.このいたって真面目な長男の行動に皆大爆笑.流石は我が息子と誇り(?)にさえ思ったほどです.
息子のとった行動は,幼い子供にはよく見られることだと思います.彼らは,理不尽な親の言った何気ない言葉に素直に応えます.一見,「言われるがまま」の感無きにしもあらずではありますが,しかし,この行動は,正に「頭を使って」出した彼らの答えでもあるのです.
私は,職業柄いわゆる「今時の若者」と接する機会が多いのですが,この今時の若者達は,なかなか頭を使ってくれません.これは,彼らが何も考えていない,考えないということではなく,自分なりの答えを出し示してくれないということなのです.ひょっとしたら,答えを出せなくなった,出しづらくなったのかもしれません.人は,それぞれ様々な環境で育ちます.知らず知らずのうちに育った環境に多大な影響を受け,いつしか,それはその人の根となり,人格を形成します.彼らにも,無邪気に微笑んで,「頭を使って」みせた頃があったのでは・・・.
息子が今どのような環境におかれているのか客観的に判断できるほど,私は使える頭をもっておりませんが,少なくとも今,皆様に囲まれた輪の中にあることで,「使える頭」の大きな根を伸ばさせて頂いていることに感謝しております.