久々のサンプリング報告

ほぼ毎週,どこかしらにサンプリングに出かけている私でありますが,サンプリングの報告は久しぶりになります.

今日は,来日されているJeongさんと一緒に県央部のサンプリングに出かけてきました.本当に熱心にサンプリングをされておられて,頭が下がります.なんとなく自分が失ってしまったものを改めて見つけたような,新鮮な気持ちでいっぱいになりました.

下記,写真で髪にささっているのは,蚊避けだそうです.私もやってみましたが,ウナギの蒲焼きが思い浮かんだだけでした.


(MM)

すべてが熱かった

私に限った話ではないと思うが,小さい頃の記憶や感情はどんどん忘れていく.
もちろん楽しい思い出はたくさんあるけど,空気に触れて色あせないように鍵のかかった箱の中に入れてるから,なかなか取り出せない.
取り出したくない恥ずかしい思いでもたくさんあって,まぁ色々なことを忘れたことにして,日々は巡っていった.

世の中という水で少しずつ薄めていった自分は,とうぜん昔の自分ではないのだけれども,でも幼い頃の自分をコップの底で少し見つけた,そんな2日間のことを少しだけ書かせていただく.

夏はサンプリング,私とM1のK君と先生は栃木県・渡良瀬遊水地に来ていた.

 

 

 

 

 


降水確率は50パーセント強,梅雨時期の変わりやすい天気も心配で私はコンビニで500円のレインコートを購入しておいた.

しかし出発時にはぐずついていた天気もフィールドに出る頃には少しだけ明るくなっていた.
やはりわが先生は晴れ男,いやフィールドの神様なのだ,とレインコートを買った自分を一瞬恥じた.

渡良瀬は様々な生命に満ち溢れていて,力強かった.

 

 

 

 

 


写真はただの昼顔で申し訳ない.
カメ小(カメラ小僧)のKは今年から研究室に入った仲間で,まだ慣れないサンプリング故,カメ小に集中できなかったのではないかと推察される.
ペンを落としまくり(フィールドで落とすと中々見つからない)軽くてんぱっていた彼をこれからも温かい目で見守っていきたい.

高いヨシに囲まれた空間.

 

 

 

 

 

 


すべてのものを見上げていた,こんな時代もあったなぁと懐かしくなる.
こうやってヨシを掻き分けていくのも何だか幼い頃の秘密基地遊びみたいで(実際やったことはないけど)

フィールドの中で見つけたノスタルジーに,密かに私の心は暖まったのであった.

しかし,心以上に暖まったのは体だ.
なにせ無風なうえ,湿度は異常に高い.午後は日も本格的に差してきて激熱であった.
汗をリットル単位でかくのも久しぶりで少々疲れた.

失われた水分を補給すべく,夜は泡の出る麦の水をたいそう頂いた.
共同研究者であるIさんに連れて行ってもらった料亭(というにはあまりにアットホームな)で,おいしい料理に舌鼓をうった.
特に鶏の中落ち,ハチノスのラー油漬け(にんにくon)など創意工夫にとんだ料理は絶品の一言で,
こんにゃくがとても美味であった.あのこんにゃくがである.いたく感動した.

料理の写真が無いのがもどかしい.
カメ小のKは今年から入ってきた仲間で(中略)これからいっそう頑張っていただきたい.

二日目もIさんに植物の生育地を案内していただき,無事にサンプリングを終えた私は帰り道,先生の車の心地よい揺れに身をまかせ,ぼーっと懐古した.

まだまだ未知の物ばかりで,すべての事が新鮮で面白かった,幼い頃.
最近感動を忘れた,なんていうのは嘘で,こうやってフィールドの中には数々の未知があって,おいしい料理はまだまだ世の中にたくさんあって,そういうのに出会えたら私はまた感動するのだろう.

幼い頃,すごいなあと瞳を大きくしたあの時のように.

KS

ぼくとみずばしょう

春は昼過ぎ。いみじう暑くなりゆく陽気 少し汗ばみたる男どものだらしなく口空きたる。
げにおぞましき。ものぐるほしけれ。

先生にお願いして車を出していただき、野島と3人で泉ヶ岳に行ってきた。
私はまぁ予想通りの結果であった。つまり釣果なし。でもちょっぴり意外な収穫もあった。
野島君もとりあえずの多からぬサンプル調達できたようでまぁまぁというところ。
実験できそうでよかったな。励めよ。

帰る前にミズバショウ群生地に寄ってきた。
コンビニ2つ分くらいの湿地に木道が整備されていて、そこを歩きながらミズバショウを眺めた。ミズバショウはもう時期が遅く、葉はホウレンソウのようにけばけばしく大きくなって、仏炎苞なんかもう完全に隠れてるかもしくは脱落してそこいらに転がって黒ずんでしまっており、それはもう興ざめであった。返す返すもすさまじ。
しかしながら、ミズバショウのこのような無様な姿をネットで公開しようものなら、私の自宅玄関先にミズバショウたちが怒涛のごとく押し寄せて私は繰り返し殴打されるであろう。あいつらとにかく執念深い草だから。そういうわけで写真は差し控える。
意外と人もいて、犬を連れて散歩する親子連れ、健康そうな老夫婦、さらには木道にすわって足をぶらんぶらんさせながらお弁当を召し上がる若人らの姿も見られた。おいしい?

私事だが昨年も男ども3人で訪れたのを思い出した。あのときもミズバショウこんなんだったな。来年はちゃんとした時期に来たいものだわ。そのときは私も一介のカメラボーイとなって可憐なミズバショウらに向かって忘我してシャッターを切り続けるであろう。
そんなわけでまた来年。
YS