東北大学
ディスティングイッシュト

リサーチャー

Distinguished Researchers of Tohoku University

令和2年度 称号付与者 全41名

令和2年4月1日付与

複雑な空間の上の幾何解析

研究キーワード:
リッチ曲率 熱方程式 幾何解析

大学院 理学研究科
 
教授 本多 正平

HONDA Shouhei

more >
研究概要:

 角があるかもしれない空間の上で幾何学と解析学を行っています。そのような 空間全部をもってきて新しい空間を作ります。それを調べることで角のない、すなわちつるつるな空間への応用を目指しています。使っている主な道具は熱方程式という微分方程式です。これはリッチ曲率という空間の幾何学的量をコントロールすることでよい振る舞いをする方程式であることがわかっています。

 最近はその熱方程式を使って、角がある空間の角を取ってしまう方法を見つけました。そのアイデアに沿って今は研究を進めています。まだまだやることがいっぱいあって、自分の人生の間にわかることはわずかだなと実感していますが、科学の発展の一助になることを願って、自分の人生を研究につぎ込みます。

準安定状態に着目した新規の超伝導体や量子スピン液体の開発

研究キーワード:
準安定相 高圧合成 薄膜 超伝導 量子スピン液体

大学院 理学研究科
 
准教授 今井 良宗

IMAI Yoshinori

more >
研究概要:

 私が専門とする物性物理学は、物質の多様な性質を物理学によって理解しようとする学問です。その主役は「物質」であり、新物質の発見は、物質の持つ独特な個性を通じて、物性物理学の進歩に大きく貢献してきました。例えば、銅酸化物高温超伝導体の発見は、近代物性物理学の中心的なテーマの1つである強相関電子系の物理学の発展を産み出しました。そのような新しい潮流を生み出す物質の開発を目標にして、通常の手法では合成困難とされている物質を、準安定状態として抽出することによって、新しい結晶構造や組成を持つ物質を開発するという指針で研究を進めています。特に興味を持っているのは、超伝導、量子スピン液体などの現象に関わる物質です。物質を構成するのは周期表上の約100種類の元素であり、それをどのように組み合わせるのか、といったところが各研究者の腕の見せ所です。予想通りに研究が進まないこともありますが、座右の銘を励みに、うまくいかないのはアイディア、努力、意志が足りないのだと捉えて、日々、学生のみなさんと一緒に研究に取り組んでいます。

座右の銘:
為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり

海域・陸域の測地観測にもとづく
地震発生メカニズムの理解と
ジオハザード即時予測の高度化

研究キーワード:
GNSS 地殻変動 津波即時予測

大学院 理学研究科
 
准教授 太田 雄策

OHTA Yusaku

more >
研究概要:

 陸域、海域の測地観測データにもとづく地震発生メカニズムの理解のための研究と、それらデータを即時的に活用したジオハザード即時予測手法の高度化の研究を進めています。具体的には、GNSS(GPS等に代表される全地球測位システム)の多点展開による地震間、地震時の地殻変動の把握とそのモデル化や、海底地殻変動観測技術にもとづくプレート境界のモニタリング能力の高度化等の研究を行っています。さらにGNSSデータを即時的に解析することで、巨大地震の規模や断層面の広がりを推定する手法の開発と、その現業機関への技術移転による社会実装等について、幅広い研究分野の研究者とともに取り組んでいます。また、GNSSを火山噴煙や水蒸気のモニタリングに用いるための新技術の開発も進めています。

ウェブサイト:
https://researchmap.jp/read0134552
座右の銘:
一日生きることは、一歩進むことでありたい。(湯川秀樹)

原子層材料の物性開拓
ー 分子線エピタキシー法による新規原子層材料の創製 ー

研究キーワード:
原子層材料 分子線エピタキシー 角度分解光電子分光 電子状態

大学院 理学研究科
 
准教授 菅原 克明

SUGAWARA Katsuaki

more >
研究概要:

 鉛筆の芯の素となるグラファイトから抜き出した一枚の炭素原子層シート材料 (グラフェン)において、ディラック電子系特有の様々な特異物性が見出された結 果、グラフェンのみならず様々な層状物質の単層化(原子層化)による新規物性 開拓が世界各国で行われている。これまで菅原は、原子層材料を含めた様々 な単結晶薄膜の作製が可能な分子線エピタキシー装置を用いて、グラフェン 超伝導体を含めたこれまで報告例がない様々な原子層材料の作製を行い、 その特異物性および発現機構を角度分解光電子分光法による電子状態の直接観測から明らかにしてきた。現在も、これまで見出されていない新機能性原子層材料の作製およびその物性解明に関する物性研究を、所属研究室のメンバーとともに日夜協力して推進している。

ウェブサイト:
https://researchmap.jp/7000009939
座右の銘:
感謝

初期地球と初期太陽系に生命分子の起源を探る

研究キーワード:
生命の起源 初期地球 初期太陽系

大学院 理学研究科
 
准教授 古川 善博

FURUKAWA Yoshihiro

more >
研究概要:

 生命誕生前の地球で、生命の材料となる分子がどのようにして生成・供給されたのか、この謎を明らかにするために、地球や太陽系で起こる様々な地質現象や環境を模擬した実験と、隕石や惑星探査試料などの初期太陽系物質の化学分析を行っています。
 当時の地球環境に整合的な生命分子の誕生と化学進化の過程を紐解くことを目的として、地球惑星科学の知見に基づき、有機化学、分析科学、分子生物学的手法を組み合わせて研究を進めています。初期地球への隕石衝突による無機物からのアミノ酸の生成や、隕石からリボースなどの生命に関係する糖を見つけるなどの研究を行ってきました。最近では、初期太陽系の有機物進化にも興味を持ち、隕石の分析や模擬実験を進めています。

座右の銘:
失敗は成功のもと

光電子分光法による新奇電子物性の探索と起源解明

研究キーワード:
光電子分光 電子構造 高温超伝導体 トポロジカル物質

大学院 理学研究科
 
助教 中山 耕輔

NAKAYAMA Kosuke

more >
研究概要:

 物質の中には1023個もの電子が存在しています。これらの電子の運動は、電気伝導を初めとして、光学、熱伝導、磁性などの様々な性質に深く関係しています。私は、光電子分光という実験手法を用いて電子の運動を精密に観察することで、物質が示す特異な性質の理解を目指しています。特に力を入れているテーマの一つが超伝導です。最近では、高温で超伝導を示す鉄化合物の電子状態の解明に成功し、この結果は高温超伝導を説明するモデルの構築に役立てられています。また、電子状態の理解に基づく物性探索を進め、ナノメートルサイズの薄膜における高温超伝導などを発見しました。現在は、トポロジカル絶縁体・超伝導体など、位相幾何学の概念を取り入れた新しい物質相の研究や、光電子分光の適用限界を広げる新しい技術の開発にも取り組んでいます。

お気に入りのもの・こと:
アイスコーヒー

圧縮性流体現象と計算物理学
ー 次世代予測科学の確立を目指して ー

研究キーワード:
航空宇宙工学 流体力学 数値流体力学

大学院 工学研究科
 
教授 河合 宗司

KAWAI Soshi

more >
研究概要:

圧縮性流体現象は流体力学と熱力学の非線形性の強い複雑なカップリング現象であり、航空機開発に代表される工学のみならず、理学、医学など、様々な分野で重要な役割を果たしています。私たちの研究では、圧縮性流体現象を司る様々な支配方程式に対して、物理機構を矛盾なく支配方程式レベルで数値計算アルゴリズムに反映する新しい発想に基づく計算物理学の普遍的な方法論を構築することで、複雑な圧縮性流体現象を理解し、かつ予測評価可能とすることを目指しています。学術・基礎研究を基盤とした応用研究では、2020年より「富岳」成果創出加速プログラム「航空機フライト試験を代替する近未来型設計技術の先導的実証研究」の課題代表者を務め、スパコン「富岳」を駆使することで、世界初となる高忠実数値解析による航空機全機空力予測評価を可能とし、航空機開発に次世代のイノベーションをもたらすことを目指し研究を進めています。

お気に入りのもの・こと:
Happy Hacking Keyboard(博士号取得後に購入して以来ずっと愛用しています)

材料ライフサイクルに基づく最先端材料のマルチスケールメカニクス

研究キーワード:
マルチスケール塑性論 金属材料 高分子材料

大学院 工学研究科
 
准教授 青柳 吉輝

AOYAGI Yoshiteru

more >
研究概要:

 我々の日常生活に必要不可欠な鉄、鋼、アルミニウムといった金属材料およびプラスチック、繊維、ゴムといった高分子材料は、過酷な状況下での使用や構造物の軽量化を目的として日々進化を続けています。構造材料としてのみならず、汎用性の高い最先端材料の成形性や信頼性を高めるために、その力学特性を材料の微視的挙動から理解し、変形挙動をより的確に表現可能な数理モデルの構築に期待が寄せられています。「材料組織に関する原子スケール」と「構造物を巨視的に捉える連続体スケール」といった異なるスケールの現象を同時に表現する理論体系、すなわちマルチスケールメカニクス(Multiscale Mechanics)に基づき、材料の複雑な振る舞いを計算シミュレーションによって解析していきます。さらに、実験によって得られたデータと計算的研究とを融合させ、新しい知見を生み出す研究を行っています。

座右の銘:
悠悠故難量

細胞機能解析に向けた
バイオセンシングデバイス

ー マイクロナノ電気化学バイオシステム ー

研究キーワード:
バイオセンサ バイオMEMS 電気化学

大学院 工学研究科
 
准教授 伊野 浩介

INO Kosuke

more >
研究概要:

 電気化学をベースにした様々なバイオセンサを開発しています。開発したバイオセンサを用いて、培養細胞や培養組織を計測しています。本研究は、マイクロナノ化学や電気化学、分析化学、MEMS・NEMS技術の融合によって達成されており、学際的な研究です。本研究は、培養細胞を用いた移植医療や、薬剤スクリーニングなどの創薬開発、細胞機能解明といった展開に期待できます。開発した電気化学デバイスは、センシングだけでなくバイオ材料合成や細胞刺激にも応用できるため、開発したデバイスを用いた生体様組織構築を検討しています。今後の発展方法として、生命現象に理解や、生体モデルの作製、生体モデルを使った創薬開発に関する研究に興味があります。

ウェブサイト:
https://researchmap.jp/read0140766
座右の銘:
新しいデバイスを作製して、思いっきり遊ぶべし

状態図研究に基づく新材料の創製

研究キーワード:
状態図 合金設計 ミクロ組織制御

大学院 工学研究科
 
准教授 大森 俊洋

OMORI Toshihiro

more >
研究概要:

 状態図は、元素の濃度比・温度などに対する物質の状態(液体や固体など、固体においては結晶構造の種類)を表した図で、材料開発の地図の役割を果たします。鉄合金、銅合金などの金属材料を主対象にした相平衡実験やコンピュータシミュレーションによる状態図研究に軸足を置き、新たに構築した状態図を用いて合金設計をして新しい材料を開発することを目指しています。材料のミクロ組織は加工や熱処理により大きく変化し、これが材料特性と密接に関係しています。そのため、合金組成と加工熱処理の両面から、優れた機能を有する新しい材料を開発することにチャレンジしています。現在は、形状記憶合金や耐熱材料などの開発を目指した基礎研究とその応用展開に取り組んでいます。

座右の銘:
意志あるところに道は開ける

原子層材料の超精密構造制御合成と革新的応用開拓

研究キーワード:
カーボンナノチューブ グラフェンナノリボン 遷移金属ダイカルコゲナイド 量子コンピュータ 透明太陽電池

大学院 工学研究科
 
准教授 加藤 俊顕

KATO Toshiaki

more >
研究概要:

 カーボンナノチューブやグラフェンといった原子オーダーの層状物質である原子層材料を原子レベルで構造制御合成する手法の開発に取組んでいます。原子一つ分の構造差異で特性が大きく変化するこれらの物質の構造制御は、将来の超高性能デバイス実現に向け重要な課題です。具体的には、カーボンナノチューブのカイラリティ制御合成、グラフェンナノリボンの大規模集積化合成、遷移金属ダイカルコゲナイドの大規模集積化合成に成功しています。さらにこれらの合成機構解明にも独自の視点で取り組み、ナノ材料合成の基礎学理の探求も行っています。近年では、構造制御手法の一つとして機械学習を活用した新たな合成手法の開発も行っています。合成のみにとどまらず、革新的応用開拓にも取り組み、原子層材料を活用した量子コンピューターの動作実証や透明で曲がる太陽電池の開発など未来のスタンダードデバイスの開発も進めています。

座右の銘:
継続は力なり

最先端光計測を利用し次世代バイオメカニクスへと深化と「工学的知見に基づく生理学(Engineering-based Physiology)」の開拓

研究キーワード:
生物流動 in vivo可視化計測 バイオメカニクス

大学院 工学研究科
 
准教授 菊地 謙次

KIKUCHI Kenji

more >
研究概要:

 2020年度より創発的研究支援事業の研究代表者を務め、生物流体と生命現象との相互的関係について力学をツールとして、生命と流動のクロストークダイナミクスについて研究を行っています。工学を主軸とし生命科学へ新たな知見を模索する新たな学術領域の創発を目指し、「工学的知見に基づく生理学 (Engineering-based Physiology)」の開拓に向け、統合的かつ横幹的理解に不可欠なプラットフォームの創発に挑戦しています。研究対象は、大腸菌、微細藻類、線虫、カイメン動物、ホヤ、ゼブラフィッシュ、ブタなど様々な生物を取り扱っています。基礎研究のみならず、工業的技術革新にも力を入れており本学医学部と医療機器開発も行っています。また、次世代放射光の優れた透視画像法を活用した新奇四次元生体内流れ計測法の開発にも目下挑戦中です。

ウェブサイト:
https://researchmap.jp/7000010036
座右の銘:
工学は愛である、万里一空、水滴石穿

生物学的廃水処理プロセスの開発とそれに関わる微生物群の解明

研究キーワード:
環境微生物 廃水処理

大学院 工学研究科
 
准教授 久保田 健吾

KUBOTA Kengo

more >
研究概要:

 生物学的廃水処理は、環境負荷を低減し、健康で安心・安全な社会を維持するために必要不可欠です。従来、廃水処理はよりきれいな処理水を得ることを目的として行われてきましたが、近年では廃水中に含まれる物質を資源として捉え、そこからエネルギーを創出する、効率的に回収してリサイクルする、あるいは放流先の水環境をどのように創出するかを踏まえて処理の程度をコントロールすることが求められています。これらを満足するためには、容れ物の開発 (コンテイナーエンジニアリング) と内容物の理解 (コンテンツサイエンス) が重要であるとの考えのもと、廃水処理プロセス開発とその主役である微生物群集を解明する研究を行っています。

お気に入りのもの・こと:
テニス・釣り・旅行・子供と遊ぶこと

ヘリカルスピントロニクス

研究キーワード:
半導体スピントロニクス 電子スピン波(ヘリカルスピン波) スピン軌道相互作用

大学院 工学研究科
 
准教授 好田 誠

KOHDA Makoto

more >
研究概要:

 半導体量子構造や金属薄膜において、有効的に磁場を生み出すことができるスピン軌道相互作用を基軸として、電子スピンの精密操作ができて初めて生み出される新たなスピン物性開拓を進めています。半導体では通常スピンの向きを揃えても、時間が経てばバラバラとなる「スピン緩和」が存在します。ところが、この有効磁場を緻密に制御してあげると、スピントロニクスのボトルネックであったスピン緩和を抑制することができ、同時に新しい情報担体を生み出せる可能性が生まれます。電子スピンが回転しながら空間伝搬することで生まれる電子スピンの波(電子スピン波やヘリカルスピン波と言います)に着目し、その基礎学理と応用展開を視野に入れた研究を実験・理論両面から進めています。半導体量子構造における電子スピン波の概念は実証されてまだ10年ほどであり、電子スピン波の可能性を追求することで新たな研究領域の創成を目指していきます。

光周波数コムレーザとGPS通信で実現する次世代の「つながる」超精密計測・制御

研究キーワード:
超精密計測 センサ 光周波数コムレーザ

大学院 工学研究科
 
准教授 清水 裕樹

SHIMIZU Yuki

more >
研究概要:

 超精密加工品の形状および超精密機械の運動を必要な精度で計測する、超精密ものづくり計測の研究に取り組んでいます。次世代の「つながる工場」において必須となる、国家標準にトレーサブルな超高精度・高確度・高安定計測技術の確立を目指し、時間・周波数の国家標準であるモード同期フェムト秒レーザ(光周波数コム)と光ナノグリッドとの融合で実現する、国家標準とダイレクトにリンクした精密多軸計測手法の新原理を提案・開発するとともに、この精密多軸計測において「ものさし」として用いる2軸光ナノグリッドスケールを光干渉リソグラフィの手法で大面積一括露光する独創的な干渉光学系を開発しています。さらに、光コムレーザとGPS通信を援用した光学式スケール目盛り精度保証による「つながる」超精密光計測の実現を目指しています。

座右の銘:
お気に入りのもの・こと:
志高く、心にゆとりを

スパース低次元モデルによる複雑流動場の先進計測・制御

研究キーワード:
流体力学 実験空気力学 流体制御 低次元モデル

大学院 工学研究科
 
准教授 野々村 拓

NONOMURA Taku

more >
研究概要:

 2016年よりJSTさきがけ、2020年よりJST創発研究事業でのサポートを受けて空気力学の実験データベースに基づくデータ駆動型の流体制御技術の研究開発を行っています。特に、画像ベースの流体計測法に基づいた流体場の計測を基礎とし、得られた流体場の計測情報を生かした流体場をモード分解、そのモードの強さで流体場を表現することによる計測の高度化・流体制御への発展を進めています。モード分解とセンサ情報を利用した高速・高精度なリアルタイム流体場観測や、画像の内スパースな点でのみ粒子画像速度計測法(PIV)を行うことでリアルタイム性を確保しつつ場全体をモードから復元するスパースプロセッシングPIVを提案しており、新たなリアルタイム流体観測技術を実現してきています。今後は応答性の高いプラズマアクチュエータと組み合わせることで、先進的な流体制御を実現します。

お気に入りのもの・こと:
前向きな姿勢

ライフサポートエンジニアリングによる安全安心な社会の実現

研究キーワード:
ライフサポートエンジニアリング 転倒予防 バイオメカニクス トライボロジー

大学院 工学研究科
 
准教授 山口 健

YAMAGUCHI Takeshi

more >
研究概要:

 身体運動のバイオメカニクス、ソフトマテリアルのトライボロジー研究などを通じて高齢者の寝たきりや労働災害の主な原因となっている転倒事故の予防やスポーツにおける障害予防・パフォーマンス向上など、生命・生活支援(ライフサポート)分野における医工学研究に取り組んでいます。これまでに、すべり転倒機構の解明に基づく安全な歩行動作の解明や、油濡れた床でも安全歩行が可能な超耐滑作業靴の開発と実用化に成功しています。野球のピッチングにおけるボールのすべりやすさとパフォーマンス・関節障害の関係に関する研究にも取り組んでいます。ウェアラブル歩行解析システムや、作業支援下肢装具、ハイグリップランニングシューズ、転倒予防床材料の開発など、産学連携による研究成果の社会実装にも力を入れています。その他に、加齢に伴う認知機能低下と転倒の関係や、人間拡張テクノロジーなどにも興味を持っています。

座右の銘:
今を生きる・やまない雨はない
お気に入りのもの・こと:
愛犬との散歩

組合せ遷移アルゴリズムの共通基盤化を目指して

研究キーワード:
アルゴリズム理論 組合せ遷移 グラフアルゴリズム

大学院 情報科学研究科
 
教授 伊藤 健洋

ITO Takehiro

more >
研究概要:

 組合せ遷移とは、「状態空間上での遷り変り」を数理モデル化・解析する新しいアルゴリズム理論です。その概念は、15パズル等のパズル・ゲーム、配電制御における切替手順など、理論から応用まで様々な分野に現れます。これらに「計算」の概念を導入し、計算が出来ること・計算が難しいことを解明していくのが私の研究です。私が国内外の仲間と共に、組合せ遷移の理論フレームワークを提唱したのは2008年のことでした。そして今回、2020年度に新設された科研費・学術変革領域研究(B)に採択して頂き、より多くの仲間と体系的・戦略的に研究するチャンスを頂きました。組合せ遷移のアルゴリズムは、技術利用のハードルが高いのが現状です。私は、研究でも実務でも障壁なく、組合せ遷移のアルゴリズム技術を利活用するための共通基盤を構築すべく、研究に取り組んでいます。

座右の銘:
好きこそものの上手なれ

自然環境に順応する
Chemical Engineering Technology
の創製

研究キーワード:
化学工学 熱力学 抽出分離

大学院 環境科学研究科
 
准教授 大田 昌樹

OTA Masaki

more >
研究概要:

 医薬食品・飲料や化粧品、化成品などの化学製品の製造において、安心かつ安全な抽出分離溶媒へのシフトが社会的に進んでいます。今後もSDGsの推進を受けてこの傾向は益々加速していくものと予想されます。 このような中、私は二酸化炭素の他、エタノール、水などの自然界にありふれた溶媒に着目し、その高圧流体(特に超臨界・亜臨界流体)を利用した抽出分離の方法論や装置の開発に携わってきました。最近では、その一連の研究成果が評価され、理論について平成30年度文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を、実験についてフジサンケイビジネスアイ第34回独創性を拓く先端技術大賞(社会人部門・特別賞)などを受賞することができました。この工学技術の社会実装に向けて、基礎物性の測定から数理化に至るまで実験・理論の両面から日々研究を進めています。

座右の銘:
尚文昌武
お気に入りのもの・こと:
発見、化学工学

超臨界地熱環境における
岩石の破壊と
透水性に関する研究

研究キーワード:
超臨界地熱環境 岩石破壊 透水性

大学院 環境科学研究科
 
准教授 渡邉 則昭

WATANABE Noriaki

more >
研究概要:

 水の臨界温度を超える400℃超の超臨界地熱環境を利用する超臨界地熱発電に関する研究開発が近年世界的に実施されていますが、かつてはそのような環境では発電に不可欠な水の貯留と移動経路を担う透水性き裂システム(貯留層)の形成・維持は不可能と信じられていました。しかし私たちの研究ループは、岩石の水圧破砕実験および透水性測定を通じて,超臨界地熱環境でも貯留層が形成・維持されうることを示し,近年の超臨界地熱に関する研究開発の学術基盤構築と発展に寄与してきました(例えばWatanabe et al., 2017, Nature Geoscience)。現在は、超臨界地熱環境における岩石の破壊と透水性に関する知見を拡充し,超臨界地熱資源の時空間発展予測法を開発することや、得られた知見をCO2利用・誘発地震抑制型の地熱開発技術へと応用展開することを目指しています。

座右の銘:
初心忘るべからず

スピントロニクス・ナノマグネティクスを
加速させる
材料創製と機能発現

ー 規則合金薄膜から人工ナノ構造まで ー

研究キーワード:
磁性材料 スピントロニクス ナノ磁性 薄膜成長

金属材料研究所
 
准教授 関 剛斎

SEKI Takeshi

more >
研究概要:

 電子の持つ「スピン」という性質をエレクトロニクスに利用しようという分野がスピントロニクスです。スピントロニクスに役立つ磁性材料の創製を目指し、薄膜成長技術や微細加工技術を駆使して規則合金薄膜や金属人工格子、それらを組み込んだデバイスを作製し、スピンに依存した伝導機構の解明や新しい機能性の発現、さらにナノサイズの磁性体における磁化の動的挙動の制御や応用に取り組んでいます。 電流、スピン流、そして熱流を効率良く変換できる材料の開発や、物質を超構造化・ナノサイズ化することで顕在化するバルクの磁性体には無い特性を解明し使いこなすことで、スピントロニクスやナノ磁性(ナノマグネティクス)の発展に貢献していきます。

座右の銘:
高きを仰ぐ

偏極中性子散乱によるスピントロニクスの微視的機構解明

研究キーワード:
中性子散乱 スピントロニクス 磁性

金属材料研究所
 
准教授 南部 雄亮

NAMBU Yusuke

more >
研究概要:

 微視的測定手段である中性子散乱を用いて物性物理の研究を行っています。中性子散乱には、核散乱と磁気散乱を同程度の散乱断面積で観測できること、水素などの軽元素を検出できること、定量解析が可能であることなどの利点があります。しかしながら、フェルミ粒子である中性子は排他律を感じるため、X線のような大幅なビーム強度増大が見込めません。そこで、中性子自身の持つスピン自由度も含めて解析する偏極中性子散乱を活用し、新たな散乱手法を開発することで研究を進めています。最近は、スピンの歳差運動の回転方向の同定に成功したことから、スピントロニクスにおけるスピン流の伝播機構に興味を持っています。また、偏極中性子に限らず、結晶構造や群論に基づく磁気構造解析など中性子を用いた測定手法全般を対象に、共同研究として推進しています。

お気に入りのもの・こと:
旅行・ドライブ

有機分子修飾技術による単分子層での界面特性のコントロール

研究キーワード:
分子シミュレーション SAM(自己組織化単分子膜) 界面特性制御

流体科学研究所
 
准教授 菊川 豪太

KIKUGAWA Gota

more >
研究概要:

 自己組織化単分子膜(SAM)をはじめとする有機分子修飾技術を用いて、単一分子層で界面における特性、特に輸送特性を柔軟にコントロールする手法について、分子シミュレーションによる研究を行っています。例えば、昨今パワー半導体など高発熱密度のデバイス冷却技術が強く求められていますが、SAM修飾によって固体と液体間の界面における熱伝導特性が劇的に向上することを示しました。有機分子はその分子構造のデザインが比較的容易であり、界面における親和性を自在に制御できることから、今後より広範な科学・技術分野に応用できる界面特性制御の可能性を探求し、分子スケールの視点から研究を進めていきます。

座右の銘:
人の希望は、初め漠然として大きく、後、漸く小さく確実になるならひなり。

機能性流体工学を基盤とした環境および新材料創製への応用展開
「イオン液体静電噴霧による二酸化炭素分離吸収の高度化」
「電場・伸長流動場を用いたナノ繊維配向制御による高強度セルロース単繊維の創製」

研究キーワード:
機能性流体 混相流 イオン液体 セルロースナノファイバー プラズマ流体

流体科学研究所
 
准教授 高奈 秀匡

TAKANA Hidemasa

more >
研究概要:

 機能性流体である「イオン液体」や「プラズマ流体」、「MR流体」を対象とし、電磁場下での複雑内部構造変化に伴う熱流動特性や化学的特性を数値シミュレーションと実験を用いて多角的に明らかにするとともに、エネルギー・環境分野や新素材創製プロセスにおける革新的技術シーズの創出を目指して研究を推進しています。最近の研究では、イオン液体静電噴霧を利用した二酸化炭素分離吸収の高度化に取り組んでおり、数値シミュレーション及び実験の両面からの統合的な解析から、静電噴霧による超微細化により二酸化炭素吸収率が顕著に向上することが明らかとなりました。また、近年、環境適合型新素材として世界的に注目されている、セルロースナノファイバーを原料として、電場と伸長流動場を利用した新たなセルロース単繊維創製法を開発し、交流電場によりナノ繊維配向を制御することにより単繊維の材料特性を向上させることに成功しました。

座右の銘:
固定は死なり

ゼロエミッション燃焼と発火ゼロへの挑戦

研究キーワード:
火炎クロマトグラフ エネルギーキャリア 反応性流体

流体科学研究所
 
准教授 中村 寿

NAKAMURA Hisashi

more >
研究概要:

 燃焼は高いエネルギー密度と速い負荷変動追従性を両立できることから、生活や産業のいたるところで使われています。燃焼機器からのCO2無排出を目指し、再生可能エネルギー由来のアンモニア、水素、バイオ燃料、e-fuelなどを対象に、それらの燃焼現象を調べています。着火、消炎、火炎伝播などを律速する物理的・化学的要素を解明し、正確に予測するモデルを構築しています。これにより、熱効率を最大化し、NOx・PM排出を最小化する燃焼器の設計開発に貢献しています。また、エネルギー機器の発火防止を目的とし、バッテリーの電解液や冷凍・空調に使われる冷媒の燃焼現象も研究しています。
 このほか、学友会人力飛行部(Windnauts)の部長を務めています。

座右の銘:
流れる水は腐らず

生体内現象の再現と細胞動態の制御
ー 生体模擬チップで病気・障害のメカニズムを解明する ー

研究キーワード:
マイクロ流体デバイス 生体内微小環境 低酸素

流体科学研究所
 
准教授 船本 健一

FUNAMOTO Kenichi

more >
研究概要:

 生体内の微小環境において、細胞は運動や血流による力学的な刺激と、生化学物質による化学的な刺激を感知して応答します。また、生体組織内部の酸素濃度は低く、血流の状態によって時間的・空間的に変化し、細胞活動に影響を与えます。それらの環境因子に対する細胞の正常な応答は、分化・形態形成・生体恒常性の維持などに必要不可欠であり、万が一その機能が破綻した場合には、疾患の発症や様々なダメージを引き起こす可能性があります。しかし、時間的・空間的に変化する環境因子に対する個々の細胞の応答や、細胞群と細胞外マトリックス間の相互作用と、それらのメカニズムには未解明な点が多く残されています。本研究では、生体内の現象を生体外で再現するマイクロ流体デバイス「生体模擬チップ」を開発し、様々な環境下における細胞群の動態とそのメカニズムを解明し、それらを制御する方法について研究しています。

座右の銘:
健康第一
お気に入りのもの・こと:
小鳥

スピントロニクスが切り拓く未来の情報処理通信

研究キーワード:
スピントロニクス 不揮発性メモリ 
新概念コンピューティング

電気通信研究所
 
教授 深見 俊輔

FUKAMI Shunsuke

more >
研究概要:

 スピントロニクスは、電子が持つ二つの自由度、すなわち電荷とスピンの同時利用によりもたらされる新しい物理現象を明らかにして工学的に利用することを目指す新興学術領域です。これにより、例えば高速動作が可能で、かつ実質的に書換え回数が無制限の超高性能不揮発性メモリデバイスが可能になり、エナジーハーベスティングで駆動する超低消費電力集積回路の実現や、それを利用したAI、IoT社会の革新へ貢献できることなどが期待されます。私は、超低消費電力エレクトロニクスおよび情報処理/通信社会の実現に向けて、スピントロニクスの物理、材料科学、デバイス技術の研究を行っています。最近の成果として、熱揺らぎによる確率的な振る舞いを積極利用した超常磁性磁気トンネル接合を用いて量子アニーリングマシンと類似した機能を実現する確率論的コンピューティングの原理実証などがあります。

お気に入りのもの・こと:
サッカー、スキー

固体ナノ構造を活用した量子デバイス

研究キーワード:
量子デバイス 固体ナノ構造 電子物性

電気通信研究所
 
准教授 大塚 朋廣

OTSUKA Tomohiro

more >
研究概要:

 ナノメートルスケールの微小な固体ナノ構造では量子効果等の特異な物理現象が生じます。私はこの現象に興味を持ち、人工的に作製、制御した固体ナノ構造における物性解明、およびデバイス応用の研究を進めています。特に電気的な精密高速観測、制御技術を駆使して、新しい物理現象の解明を進め、新しい材料、デバイスの研究、開発を行っています。これにより量子エレクトロニクスやナノエレクトロニクス等を通して、新しい情報処理、通信技術への貢献を目指しています。

ウェブサイト:
https://ja.tomootsuka.net/
座右の銘:
何事も楽しむ
お気に入りのもの・こと:
小さいもの

ナノ電気化学イメージングによる機能性材料の可視化

研究キーワード:
電気化学 走査型プローブ顕微鏡 機能性材料

材料科学高等研究所
 
准教授 熊谷 明哉

KUMATANI Akichika

more >
研究概要:

 材料科学の進展は円熟化したナノテクノロジー技術による影響が強いです。特に、構造を原子レベルまで精緻に制御した機能性材料の合成・成膜技術は、エネルギー分野から生化学分析応用まで多岐にわたります。計測技術も同様に進展が目覚ましく、電極触媒・二次電池・腐食などの電気化学反応に伴うナノスケール解析では、通常、走査型プローブ顕微鏡(SPM)技術にて評価されています。しかし、通常のSPM技術は原子・ナノスケールにて解析が可能なものの、その情報の多くは電子物性にとどまっています。この電気化学反応性のメカニズムや律速因子を理解するため、独自開発・改良を進めている電気化学顕微鏡の可視化技術:ナノ電気化学イメージングにて挑戦しています。

座右の銘:
百折不撓
お気に入りのもの・こと:
旅行・釣り・将棋

自己組織化とバイオミメティック
デザインによる
機能材料の創製

研究キーワード:
自己組織化 バイオミメティクス 

高分子化学 ナノ材料

材料科学高等研究所
 
准教授 藪 浩

YABU Hiroshi

more >
研究概要:

 当研究室では、①生物から得られたヒント(材料デザイン)を基に、②ナノ材料や機能性高分子などの合成物を、③自己組織化や自己集合という低エネルギープロセスで形作ることで、生物に学び(Biomimetic)、生物と融合し(Biohybrid)、最終的には人工材料と生物デザインにより生物を超える(Metabio)材料の作製を目指しています。
具体的には、ハスの葉の様に水や油を寄せ付けない表面や、ムール貝の様に多様な材料に接着する接着材料、ウィルスの様な構造を持つ微粒子など、生物の構造や機能にインスパイアされた材料を高分子化学やナノ材料の合成技術と独自の自己組織化プロセスを用いて創製しています。
また、水滴を鋳型としてサブミクロンからミクロンサイズの多孔質高分子フィルムの作製法を用いて、細胞の接着・増殖・分化などを制御する多孔質基材や、負の屈折率により透明マントの様な光学機能を実現する微粒子材料、抗原抗体反応を迅速・高感度に検知する材料・デバイスの創製、ヘム鉄を模倣した燃料電池・空気電池用の触媒開発などを基にした創・蓄電デバイスや熱電変換材料など、多様な材料・デバイスの開発に関わる研究を国内外の研究者や企業と進めています。また、触媒事業については東北大学発ベンチャーであるAZUL Energy(株)を立ち上げ、材料の開発と実用化を進めています。

座右の銘:
尺蠖の屈めるは伸びんがため
お気に入りのもの・こと:
読書(歴史・SF・ビジネス書)・コーヒー

ブラックホールジェットの理論的研究とその学際的展開

研究キーワード:
ブラックホール ガンマ線バースト ダークマター

学際科学フロンティア研究所
 
准教授 當真 賢二

TOMA Kenji

more >
研究概要:

 ブラックホールは物質を吸い込むだけでなく、エネルギーを放出しジェット噴出を起こすことができると予想されています。私は相対性理論とプラズマ物理を融合させ、エネルギー放出が起こるための条件を数式で明らかにしました。数式を使った研究だけでなく、大規模コンピュータシミュレーションや電波・可視光・ガンマ線等の光の観測データを使った国際共同研究も進めています。特に、ブラックホール誕生時に起こるガンマ線バースト現象のメカニズムに偏光観測で迫れることを示し、新しい偏光研究分野を開拓しました。また惑星形成論と素粒子論を学際的に融合し、偏光観測でダークマターの正体を解明しうるという奇抜なアイデアも提唱し、注目されています。ブラックホールの影を撮像したイベントホライズン望遠鏡プロジェクトに参画しており、ジェットの情報からブラックホールの性質を明らかにする理論研究も進めています。

軸索輸送と神経細胞の形態形成の学際的研究

研究キーワード:
軸索輸送 微小管 分子モーター シナプス

学際科学フロンティア研究所
 
准教授 丹羽 伸介

NIWA Shinsuke

more >
研究概要:

 神経細胞は特殊に分化した細胞であり、軸索輸送と呼ばれる高度に発達した細胞内物質輸送機構を持っています。この軸索輸送でトラックの役割を果たすのが分子モータータンパク質です。災害などで物流が滞ると私たちの社会は大きなダメージを受けます。それと同じように分子モータータンパク質に先天的、後天的な異常が起こると、様々な脳神経疾患の原因となります。この分子モータータンパク質の1分子レベルの基本的な性質や疾患における性質変化を生物物理学的手法で解析したり、線虫の分子遺伝学を用いて軸索輸送に関与する新しい分子の探索を行ったりしています。ゲノム編集を用いて作製した軸索輸送疾患モデル線虫を使い、治療の標的となり得るような分子の探索も行っています。今後は患者さん由来のiPS神経細胞を用いてこれまでに見つけた治療標的の候補因子の検証を行ってみたいと考えています。

ウェブサイト:
https://researchmap.jp/shinsuke_niwa
座右の銘:
不易流行
お気に入りのもの・こと:
釣り、スキー

ゲノム複製の柔軟性と正確性

研究キーワード:
DNA複製 突然変異 ゲノム安定性

学際科学フロンティア研究所
 
准教授 大学 保一

DAIGAKU Yasukazu

more >
研究概要:

 生体分子の設計図であるゲノムDNAは限られた時間内に正確に複製される必要があります。効率的なDNA複製の実施のために、真核生物では10種類以上のDNA合成酵素:DNAポリメラーゼによる分業が行われます。しかし、各々のDNAポリメラーゼによる合成の正確性は異なり、誤りがちなポリメラーゼの介入は不正確なコピー、すなわち、突然変異の原因であり、遺伝情報の安定性・生体の恒常性に影響する問題です。ゲノムDNAは様々な構造をとる巨大な分子であり、その複製は平坦な道のりではありません。様々な障害を乗り越えるべく、多くのDNAポリメラーゼがフレキシブルに協調しあうと考えられ、その点に焦点をあて研究を実施しています。そのために、DNA複製に必要な個々の生体分子の解析はもとより、情報科学的な方法を駆使し、全ゲノム領域を対象として包括的なDNA複製プロファイルを得る実験技術を適用し研究を進めます。

座右の銘:
失敗は成功の元!

令和2年5月1日付与

ブレンステッド塩基を用いた触媒的分子変換反応の開発

研究キーワード:
ブレンステッド塩基 有機分子触媒 不斉合成

大学院 理学研究科
 
准教授 近藤 梓

KONDOH Azusa

more >
研究概要:

 新たな医薬品や機能性有機材料の開発には、その元となる“欲しい化合物”を“選択的に”合成するための新たな有機合成技術の開発が必要不可欠です。特にキラルな化合物(鏡像と重ね合わせることができない分子)の片方のエナンチオマー(鏡像異性体)を選択的に合成すること(不斉合成)は精密な有機合成を行う上で極めて重要です。私の研究グループでは、環境調和型の触媒として注目を集めている有機分子触媒(低分子有機化合物からなる触媒)の一つであるブレンステッド塩基触媒に着目し、「高い活性(=強塩基性)を有するキラルブレンステッド塩基触媒の創製」と「高度な触媒的分子変換反応の設計・開発」に取り組んでいます。これまでにない高効率かつ高立体選択的な分子変換を実現することで、有用な精密有機合成ツールの提供を目指しています。

座右の銘:
日々精進

異常タンパク質の品質管理とオルガネラ恒常性の研究

研究キーワード:
異常タンパク質 品質管理システム ミトコンドリア 小胞体

大学院 薬学研究科
 
助教 井澤 俊明

IZAWA Toshiaki

more >
研究概要:

 異常タンパク質の蓄積は、アルツハイマー病やパーキンソン病をはじめ様々な疾患の原因として知られています。健康な細胞では通常、異常タンパク質を取り除くための品質管理システムがうまく作動し、これによって細胞の恒常性が保たれています。したがって、異常タンパク質が産生される仕組みや品質管理システムの分子機構の解明は、疾患の発症機構を理解する上での重要な課題です。私は、ミトコンドリアや小胞体など細胞の機能に必須のオルガネラで働くタンパク質に着目し、どのようにして異常タンパク質が作られるのか、細胞はどのような仕組みによって異常タンパク質の蓄積を抑制しているのかを理解することを目指しています。現在は特に、リボソーム関連品質管理(RQC)と呼ばれる品質管理機構に着目して研究を進めています。

座右の銘:
「純粋さ」を忘れずに研究に取り組んでいきたい

動物が示す不測の事態への適応能力の解明と実世界応用

研究キーワード:
Walking Robotics-inspired Biology Neuro-rehabilitation

大学院 工学研究科
 
准教授 大脇 大

OWAKI Dai

more >
研究概要:

 動物は、10の6乗個程度の神経細胞しか持たない昆虫ですら、未知の環境、さらには、自身の身体が突然故障する、欠損するという想定外の状況においても、即時的かつ柔軟に適応し移動し続ける驚くべき能力を有しています。本研究では、動物の根源的な移動能力である「歩行」に着目し、「計測する」、「制御する」、「創る」などの工学的手法と技術を活用しながら、(1) 昆虫を対象とした運動制御メカニズムの解明、および、(2) ロボティクスを基盤とするニューロリハビリテーション技術の創出、を主たる目的としています。理学と工学の双方向のアプローチを有機的に連関させることで、動物の適応原理の理学的追求と実世界応用を目指しています。

研究詳細:
http://www.oscillex.org

座右の銘:
一日生きることは、一歩進むことでありたい。

超小型宇宙システムによる宇宙開発利用の高度化

研究キーワード:
超小型衛星 誘導制御 システムインテグレーション

大学院 工学研究科
 
准教授 桒原 聡文

KUWAHARA Toshinori

more >
研究概要:

 超小型人工衛星システムのダイナミクス、制御、星の構造・機構、最先端搭載機器技術、地上シミュレーション評価技術などに関する研究を通して宇宙開発利用、及び宇宙探査に必要な技術開発を進めています。複数の50kg級人工衛星、及び数kg級のCubeSat衛星の研究開発・運用の実績があります。超小型国際理学観測衛星RISESATでは高分解能マルチスペクトル観測技術を世界に先駆けて実証しました。また、国際共同プロジェクトとして東南アジア諸国との超小型地球観測衛星の共同開発運用と人材育成にも取り組んでいます。更に、宇宙ゴミ対策のための軌道離脱技術、超小型衛星を用いた人工流れ星生成技術、超小型探査機による月・惑星探査技術などに関する研究開発に取り組んでいます。

座右の銘:
頼るは己のみ
お気に入りのもの・こと:
綺麗な景色、生命を感じさせるエメラルド色の海

地下開発時の誘発地震の発生機構解明と抑制技術に関する研究

研究キーワード:
地熱 CCS 地球物理学 地震学 岩石力学 信号処理

流体科学研究所
 
助教 椋平 祐輔

MUKUHIRA Yusuke

more >
研究概要:

 地下への流体注入は地熱・油ガス等の回収性向上、CO2 地下貯留等のために必要不可欠な新技術です。しかし、注水を伴う開発と共に、地上に被害を及ぼし得る誘発地震が発生する事例が北米等で増え、本分野の重大な環境影響として認識されています。本研究は、誘発地震の地震学的な解析と、坑井を通して取得した地球物理データを融合させることにより、誘発地震の発生機構、注水した水圧の伝播等、様々な開発対象層内の物理現象の理解を深めてきました。蓄積されつつある知見をもとに,地下開発時の誘発地震の抑制技術の開発を目的に研究を実施しています。本研究は我が国の将来を担うエネルギー源である地熱開発や、地球温暖化抑制の為のCO2地下貯留におけるリスクを低減し、地下開発・利用をより安全・安心なものにできると考えています。さらに、地震学等の地球科学分野にも貢献できると期待しています。

座右の銘:
Who dares wins
お気に入りのもの・こと:
子供、アウトドア、サッカー、日本酒、クラフトビール、蕎麦、ねこ

インバーティブルロジックに基づく新概念コンピューティングとその学習ハードウェアへの応用展開

研究キーワード:
確率的演算 ニューラルネットワーク 双方向計算

電気通信研究所
 
准教授 鬼沢 直哉

ONIZAWA Naoya

more >
研究概要:

 現在のコンピュータでは実現が困難な「双方向計算」を可能にするインバーティブルロジックの確立とその応用展開を目的に研究を行っています。「出力から入力方向の逆方向計算」を含む双方向計算が実現がされることで、数MW以上の電力を消費するクラウド上のニューラルネットワークの学習処理の大幅な省エネギー化が期待されるだけでなく、クラウドを用いないIoT・エッジ側での学習も可能になります。クラウド不要なエッジでの学習は、ネットワークインフラなどの整っていない場所への人工知能の応用や、セキュリティーの面でクラウドとのデータ通信が問題となる医療応用など、超スマート社会を支える基盤技術として期待されます。

座右の銘:
期待しない

令和3年1月1日付与

マルチメッセンジャー天文学

研究キーワード:
超新星爆発 中性子星合体 元素の起源

大学院 理学研究科
 
准教授 田中 雅臣

TANAKA Masaomi

more >
研究概要:

 夜空に浮かぶ星々はいつも変わらず輝いているように見えます。しかし、実は宇宙では星が急に爆発するなど様々な突発現象が起きています。例えば、星の爆発現象である「超新星爆発」は、星の中で作られた様々な元素を宇宙空間にばらまくため、私たちの身の回りにある元素のルーツと言える現象です。また、「中性子星」と呼ばれる天体の合体現象では、金やプラチナなどが合成されると考えられています。これらの天体現象は電磁波だけでなく、重力波やニュートリノも放出するため、宇宙からやってくるシグナルを全て駆使する「マルチメッセンジャー天文学」のターゲットとしても注目されています。私たちは、宇宙の様々な突発天体のマルチメッセンジャー天文観測や理論研究を通して、高エネルギー爆発現象の物理や、重元素の起源などを研究しています。

座右の銘:
とりあえずやってみる

カーボン×超空間の科学で世界を変える

研究キーワード:
カーボン ナノ空間 エネルギー

材料科学高等研究所
 
教授 西原 洋知

NISHIHARA Hirotomo

more >
研究概要:

 従来は構造制御も構造描写も困難であった非晶質を主体とするカーボン系材料に関し、有機合成や化学気相蒸着の手法を用いて原子・分子レベルからのボトムアップ的な材料合成を行い、有機結晶のように構造を規定できる金属カーボン構造体、グラフェンからなる3次元構造体をはじめ、種々の新しいカーボン系構造体および複合材料の調製を進めています。また、先進のカーボン材料分析技術を利用し、カーボン系材料の反応性、耐食性、触媒能等、様々な化学的特性を分子論的に理解し、その精密制御を行っています。さらに、調製した新規材料をスーパーキャパシタ、二次電池、燃料電池、ヒートポンプ、新規エネルギーデバイス、機能性吸着材、触媒、ヘルスケアなど幅広い分野へ応用する検討を、国内外の多数の研究機関および企業と連携しつつ進めています。

座右の銘:
前例を踏襲しない
お気に入りのもの・こと:
毎週温泉


TOP