通信用電波を用いた室内状態推定

 無線機器が発する通信用電波を使って、人の状態を推定する技術について研究を行っています。この技術を用いることで、プライバシーを守りつつ室内にいる人の活動量を記録したり、アシストを必要とする人がいる場所を自動的に検知したりすることができるようになります。

 私たちの研究グループでは、対象者の身体にデバイスを装着することなく、室内に置いたデバイスの通信用電波強度分布などから人の状態を推定する技術の確立を目指しています。
 日常生活における活動量の低下は疾患リスクと関連していることが知られていますので、計測デバイスの装着を意識せずに活動量を継続的にモニタリングすることができれば、健康の維持につなげられる可能性があります。

 人の動きを模した自走ロボットを用いて室内の電波状態を意図的に変化させ、そのデータを用いた分類モデルを構築することで、室内の人の状態を精度よく推定する技術の開発を行っています。
 このような手法を用いることで、電波を出しているデバイスや障害物が変化した場合でも、速やかに推定モデルを再構築することが出来るようになります。