2012/12/25	高校生諸君へ 　私達は，キャビテーションという泡を使って，金属をたたいて強くする研究を行なっています。金属を強くすると，車などを 軽く作ることができ，燃費が良くなるとともに，資源を無駄なく使うことができます。 　機械工学を修めた学生は，風力発電や飛行機，ロケット，自動車などの研究・設計・製作に関わる職業にもつけますし，食品 や化学プラントなど「ものづくりのための機械（生産技術）」に関する職業にもつけます。「生産技術」は，高校生にとって判 り難い分野かもしれませんが，「ものづくり」には欠かせない分野ですし，直接的に利益を生む分野ですので，会社ではとても 大事にしてもらえます。当研究室で学校推薦を希望した学生は，全て 学校推薦で就職しており，その分，研究 に打ち込むことができますので，充実した学生生活を送っています。 　私は高校の頃，熱力学の法則により「人類が利用できるエネルギー」＝「１−(低温)／(高温)」で決まっていること を知りました。エネルギーを効率よく生み出すためや，効率よく使うには機械工学が重要と考えて機械工学を選びました。自分が100年に1 人の天才なら，新しいエネルギーを考えるために，理学部に進学したかもしれません。私が取得した特許のうち，最初のものは水力発電で 効率よくエネルギーを生み出すためのものでした。 　現在は，エネルギーを無駄なく効率よく使うために，自動車などを軽量化するために材料を強くする研究を行なっています（ 泡で金属を叩いて強くする）。車が加速するときに，燃料を多く消費しますので，車を軽くで きれば「力」＝「加速度」×「質量」ですから，燃費が良くなり，二酸化炭素も少なくなり，温暖化抑止にも役立ちます。これは，ガソリ ン車やハイブリッド車，電気自動車など全ての車に求められている技術です。ちなみに，二酸化炭素の排出源の約1/4は車などの輸送機器に よるもので，他の排出源は既に対策が立てられており大幅な低減を見込めない状況です。 　最近は，泡を使った新エネルギー創出や金属の錆を使った発電 （金属酸化物を用いた太陽電池）にも取り組んでいます。自分を天才だと思い直したわけではあ りませんが，東北大学には，夢のような研究を実現するための環境に恵まれており，さらに研究に協力していただける素晴らしい先生方も いらっしゃいます。 　以上のようなエネルギーの創出からエネルギーの有効利用に関わる機械工学について，一緒に研究しませんか？ 祖山 均 1982年3月　長野県立屋代高等学校卒業 1986年3月　東北大学工学部機械工学科卒業 1988年3月　東北大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程前期2年の課程修了 1991年3月　東北大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程後期3年の課程修了 1991年4月〜1995年9月　東北大学流体科学研究所　助手 （1994年10月〜1996年9月　英国ノッティンガム大学工学部客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)） 1995年10月〜2003年3月　東北大学工学部　助教授 2003年4月〜現在　東北大学大学院工学研究科　教授 「他の先生方のメッセージ」 戻る