2023/9/10-15
15th International Symposium on Fusion Nuclear Technology (ISFNT15) @Auditorio Alfredo Kraus (Las Palmas de Gran Canaria, Spain)


久々の国際学会だったので、そこそこ長めの記事を書きます。

今回のISFNTは当初、2021年に中国の合肥で開催される予定だったのですが、コロナによって延期が続き、最終的にスペインのカナリア諸島にあるラスパルマスでの開催となりました。
常春でオフシーズンがなく、大西洋のハワイと呼ばれるリゾート地。昨年のASC 2022参加組はハワイに行ったわけですが(記事はこちら)、私たちも全く縁のなさそうなリゾート地へ赴く機会を得られたわけです。



まずは何よりも現地語をということで、一冊購入。橋爪研OBのルイス(ベネズエラ出身)からもっと教わっておくべきだった…!



ラスパルマスへの移動に選んだのは、スイス航空によるチューリヒ乗り継ぎ。1回の乗り継ぎで行けて天国かと思いきや(他のはほぼすべて2回乗り継ぎ)、乗り継ぎ時間はまさかの13時間越え。しかも、夜に到着して翌早朝出発ということで、チューリヒの街中へも出られず。その晩は空港内で寝泊まりすることにしました。明日のフライトが早朝だから現場で寝ようという、完全な学生思考。



夜も更けてきましたが、まだまだひと気のあるチューリヒ空港。



我々の次の便は6時発なので、当然案内には表示されず。
この奥に写っている所で入国審査したのですが、私より先に進んだ中野君は審査官に質問攻めされていました。それをにこにこしながら後ろで見ている私。
今日の夜はどう過ごすのか聞かれたので、空港内で寝ると答えたら、若いから大丈夫だなと笑いながら言ってくれました。入国審査のやり取りだけでも海外は飽きませんね。



夜更けギリギリまで開いていたバーガーキングで夕食。冗談抜きでハンバーガーの最低額(本当に小さいパテ1枚のやつ)が1,000円近くでした。が、昨年のハワイでは3,000円とかだったらしいので大したことはありません。



はい、23時も過ぎて完全に閉店時間です。どのお店もクローズ。



我々の寝床はここにしました。チューリヒ空港に泊まる際にはBゲートの辺りが人も少なく、椅子も比較的クッション性がよくおすすめです。5時頃に不審物に対する警告のアナウンスの爆音によって叩き起こされました。



飛行機から見た目的地です。ラスパルマスがあるのはグランカナリア島であり、これは島の南側から着陸する様子です。カナリア諸島は亜熱帯と砂漠が混在する珍しい気候のようで、このグランカナリア島も南側はかなり乾燥した領域が広がっていました。





島の北側、ラスパルマスへ着くと辺りはこんな感じでした。明日から学会って本気ですか?



とにかく到着して安堵の写真。30度ないくらいの気温の中、外で飲むビールはもうそれだけで何も言うことはない感じです。(中野君はほとんど飲酒しないので、道中酒ばかり飲む教員に引率されて大変でしたね。)



これが学会会場。入口をもっと分かりやすくしてほしい。



バスの回数券の売店がわからず若干遅刻するも、初日から参加してます。



メインホールはこんなでした。ヨーロッパでやるとだいたいこういう所ですよね。



学会の昼休憩とは思えない雰囲気。会場に戻りたくない。




肝心の発表の方は、まず中野君から。



若手に質問される中野君。



橋爪研OB(陳君)にアドバイスをもらう中野君。



佐竹先生に詰められる(鍛えられる)中野君。良い経験になりましたね!



次は私。無難にこなします。最終日だったので明らかに人は減りましたが。掲載写真は準備中です。ちゃんと発表はしたので。本当です。




座長もやりました。
旧知の方から初めて会う方、論文で名前だけは存じていた方と交流でき、はるばる来た甲斐がありました。次に向けてまた頑張ります。



発表以外についていくつか。



まずは学会途中で開催されたオールドタウンのツアー。ガイドの方が易しい英語で丁寧に説明してくれました。



学会会場から離れた場所ですが、ここは街並みがきれいで治安もさらに良さそうでした。学会会場や宿泊したエリアは、お世辞にもきれいとは言い難く、正直どぶ臭い。それでも観察する限りはスリ等の可能性が非常に低そうで、安心して過ごせましたが。




次はバンケットですね。場所は学会エリアからは遠く離れた、バスケやコンサート等を行うアリーナでした。プログラムでは20:00-24:00となっており、若干参加するのを躊躇うような時間帯でした(もちろん翌日は朝8時半から)。
そもそもスペインでは昼食が14時頃、夕飯が21時頃が一般的な生活リズムらしく、そのくせ朝は普通に早いので、時差ボケの身には堪えます。



こんな感じでまずは立ち飲み。謎の暗い場所に詰め込まれて立食させられました。



メインの食事会場はこんな感じ。でも量は少なく、味も街中の飯屋の方が良かった気がします。




その後も、歌唱パフォーマンスやら、カーニバルのようなダンスやらで、会場はお祭り騒ぎでした。ほとんど写真撮っていません。



QSTの若手研究者の方とも何回か飯に行きました。学生の頃は学会は一人で行くのが普通でしたが、同世代で飯食いに行けるようになって嬉しいです。ほとんどが東北大OBつながりでもあるのですが。
ちなみに今回のスペイン渡航に際し、陳君や菅さんは渡航直前になってビザが発行されるという大変な目に遭われたそうです。個人差はあるのでしょうが、スペイン人は大使館レベルであっても全然仕事しないんですね!




最後に微妙な小ネタをいくつか。



街中に唐突に現れる「ツ」。



米を使っている料理は大体美味い!というかスペイン料理はだいたい美味い。



観光地ではローカルな飯屋を探すのが吉。値段が半分くらいにまで抑えられます。当然英語は通じないので、様々な選択肢の幅も半減するかもしれませんが。



街中の市場。奥には鮮魚コーナーがあり、とんでもないアンモニア臭を巻き散らすのですが、嗅覚は慣れると反応しませんね。皆さん普通に生活しています。



現地の百貨店、El Corte Ingres。IngresとはつまりEnglishなのですが、店員さんは英語を話しません。



日本では見たことない銘柄で一番美味しかったのはこれ。しかし、現地で飲んでいる人はあまり見かけなかったのです。日本でならEstrella Galiciaが比較的手に入りやすくておすすめです。


他の地域よりも作物の選択肢がもう少し多そうなこの島でも、伝統的な料理にはじゃがいもが名を揚げる。何を頼んでもとりあえずこれが横に付いてくるような、そんな食文化です。右に移っているMojo Piconとの相性が良かったですね。


帰りも同じくチューリヒ空港で14時間ほどの乗り継ぎ待ち。空港目の前にあるカプセルホテルをさすがに取りました。受付に人のいない完全セルフチェックイン。海外のカプセルホテルは寝床のドアにもロックがついていて、なかなか快適でした。


チューリヒとラスパルマス間で乗ったエーデルワイス航空のマーク。社名の花を表しているんでしょうけど、どう見ても原生生物のそれにしか見えない。個人的には、Metroid PrimeとかScreamadelicaを思い出しました。こんなことを言うためだけに、飛行機を降りたタイミングでわざわざこの写真を撮りにいった自分の行動も謎。



文責:宍戸


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